First story! The fish that got away was a big one.

by:

もり森

　

ようこ瑶子

にがした逃がした

さかな魚

は

おおきかった大きかった

---

ゆみ由美

ちゃんが、

だいがく大学

じだい時代

からつき

あう合っていた

ボーイフレンドと

わかれる別れて

、

べつ別

の

ひと人

と

おみあいお見合い

で

けっこん結婚

したのは

さんねん三年

ほど

まえ前

だった。

もともと元々

、

れんあい恋愛

と

けっこん結婚

は

べつ別

のものと

かのじょ彼女

は

かんがえる考えていた

。

けっこん結婚

はある

いみ意味

で

いえ家

と

いえ家

との

むすぶ結び

つきであり、

おっと夫

となる

あいて相手

は

せけん世間

に

だす出して

も

はずかしい恥ずかしくない

ような

じんぶつ人物

でなければならなかった。
そして

なに何

よりも、

ぶっしつてき物質的

に

かのじょ彼女

の

いっしょう一生

を

ほしょう保障

してくれなければ

こまる困る

のだ。

だい大

れんあい恋愛

の

すえ末

に

むすぶ結ばれる

わけではないから、アバタもエクボということはありえなかった。

せんこう先行

するのは

じょうけん条件

である。

ゆみ由美

ちゃんは、

がくれき学歴

と

しゅうにゅう収入

の

たかい高さ

に

くわえる加えて

、

ひゃく百

はち八

じゅう十

センチ

いじょう以上

と、

せ背

の

たかい高い

ことも、

ひっす必須

じょうけん条件

に

くわえる加えた

。

あい愛

してもいない

おとこ男

と

けっこん結婚

するという

こと事

に

かん関

して、

かのじょ彼女

はそれほどの

きぐ危惧

を

いだく抱いて

はいなかった。
どんな

れんあい恋愛

だって、いずれは

さめる冷める

ものだ。
かつては

あつあつ熱々

だった

あいて相手

と

さめる冷め

はてる果てた

かんけい関係

を

えんえん延々

と

じぞく持続

することの

ほう方

が、

さむざむしい寒々しく

たえがたい耐え難い

ように

おもわれる思われた

。

だいがく大学

せいかつ生活

を

とおす通して

のボーイフレンドは、

さいしょ最初

から

あそぶ遊び

のつもりだったので、たいして

なみかぜ波風

もたたずに

わかれる別れる

ことができた。

かれ彼

は

おもしろおかしい面白おかしく

あそぶ遊ぶ

には

よい良かった

が、

しょうらい将来

てき的

な

せけん世間

コースからは

はずれる外れた

わかもの若者

だった。

みあいお見合い

の

あいて相手

は、

りそう理想

を

え絵

に

かく描いた

ような

だんせい男性

だった。

ゆみ由美

ちゃんは、そのように

けっこん結婚

したのだった。

いっしょ一緒

に

くらす暮らす

ようになってほどなくわかったのだが、

おっと夫

はほとんど

むしゅみ無趣味

だった。

ほん本

など

いっさつ一冊

も

よむ読まない

。
あえていえば

しごと仕事

は

しゅみ趣味

だった。
たまに

いえ家

にいると、パジャマのままゴロゴロしてテレビばかり

みる観ている

。

しゅみ趣味

がないから、

わだい話題

にも

とぼしい乏しい

。

ふたり二人

の

あいだ間

に

さいてい最低

ひつよう必要

げんど限度

の

かいわ会話

しか

せいりつ成立

しない。

ゆみ由美

ちゃんは

むかし昔

のボーイフレンドの

きち機知

とユーモアに

とむ富んだ

おしゃべりお喋り

をよく

おもいだす思い出す

ようになった。
そのうち、

ずうたい図体

ばかり

大きい大きく

て、ゴロゴロしている

おっと夫

が、やけに

めざわり目ざわり

に

おもえる思えて

くる来た

。

いえ家

の

なか中

にばかりいるからいけないのだと

おもい想い

、「

はたらく働いて

みようかしら」と

いう言って

みた。

おっと夫

は

そくざ即座

に「その

ひつよう必要

はない」と

こたえる答えた

。

つま妻

を

そと外

へ

はたらく働き

に

だす出さず

に

すむ済む

だけの

きゅうりょう給料

は、

かせぐ稼いでいる

はずだから、と

いう言う

のだった。

たいくつ退屈

な

ひび日々

がウツウツとして

ながれる流れてた

。

こども子供

でも

うむ生もう

かしらと、ふとそう

おもう思った

。

ゆみ由美

ちゃんは

にんしん妊娠

し、

ぶじ無事

こども子供

を

うむ生んだ

。

せ背

の

たかい高い

ハンサムな

おっと夫

は

しゅっせ出世

コースの

しごと仕事

にかまけて、

いくじ育児

には

まったく全く

かんち関知

しなかった。

かのじょ彼女

は

とりのこす取り残された

ような

き気

がした。

こぎれい小ぎれい

ではあるがだんらんのない

かてい家庭

という

おり檻

の

なか中

に、つながれているという

おもい思い

がつのった。

たいくつ退屈

しのぎに

うむ生んだ

こども子供

は

いま今

や、

あしかせ足かせ

となって、

にじゅう二重

に

かのじょ彼女

を

おり檻

の

なか中

に

しばりつける縛りつける

のだった。
そんなある

ひ日

、

かのじょ彼女

は

かぜ風

の

たより便り

に

むかし昔

のボーイフレンドが

けっこん結婚

して

いま今

は

かいがい海外

で

くらす暮らしている

という

はなし話

を

みみ耳

にした。

かれ彼

の

ちちおや父親

が

なくなる亡くなり

、

そうぞく相続

した

ちほう地方

とし都市

の

とち土地

と

いえ家

を

うる売り

、オーストラリアに

いじゅう移住

したのだという。
そこで

ぼくじょう牧場

を

かう買い

、つつましく

じんせい人生

の

あたらしい新しい

スタートを

きる切った

ということだった。

ゆみ由美

ちゃんは、

ひろびろ広々

とした

ぼくそう牧草

と、

あおい青い

そら空

とを

おもい思い

かく描いた

。
そこで

て手

に

て手

をとって

どうぶつ動物

の

せわ世話

をする

わかふうふ若夫婦

の

すがた姿

を

そうぞう想像

した。

じぶん自分

をその

つま妻

におきかえてみたりもした。

しぜん自然

と

どうぶつ動物

に

かこむ囲まれて

のびのび伸び伸び

と

そだつ育つ

こども子供

たちが、

め眼

に

みえる見える

ようだった。

むげん無限

の

かのうせい可能性

を

ひめる秘めた

こども子供

たち、

わかふうふ若夫婦

。

かのじょ彼女

は

じぶん自分

が

うしなう失って

しまったものの

おおきい大きさ

に

ぼうぜん呆然

とした。
だけどね、

ゆみ由美

ちゃん。

わたし私

はやっぱり

いま今

のあなたの

せいかつ生活

が、あなたに

いちばん一番

ふさわしいのだと

おもう思う

。
もし、

むかし昔

のボーイフレンドと

けっこん結婚

したとしても、あなたは、

かれ彼

のオーストラリア

いじゅう移住

けいかく計画

に

たい対

して、

かおいろ顔色

を

かえる変えて

はんたい反対

していたと

おもう思う

のよ。
そんな、

うみ海

のものとも

やま山

のものともつかない

むぼう無謀

な

じんせい人生

けいかく計画

なんて、とんでもないわ、と。
あなたは、

あんてい安定

した

せいかつ生活

の

ほしょう保障

だけを

もとめる求めていた

、そしてそれを

て手

に

いれる入れた

。

あんてい安定

ということが

たいくつ退屈

と

どうぎご同義語

だということは、

しる知らなかった

みたいだけど。